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ザプラスコラム

井上義一Dr.が鼻の手術方法について解説!【整鼻術|鼻修正術|口唇口蓋裂外鼻修正手術】

2023.11.24

外鼻の手術法について

以前、私は外鼻手術(美容の整鼻術や唇裂外鼻修正術も含め)は鼻中隔延長という方法をメインで行っていました。

鼻尖の形態を作成するには、非常にシンプルでいい方法だと思います。
欠点としては少し曲がりやすく(うまいドクターは工夫されて改善されています)鼻先が硬く動かないことでしょうか。
現在日本の鼻の手術でおそらく一番多用されている方法です。

しかし、私に手術を依頼してくれる患者さんたちに対しては合致しない方法でした。ですので私はコルメラストラット+スーチャーテクニックという方法を基本的に使用しています。
この方法について選択した理由も含め簡素に説明していきます。

コルメラストラットとは?

カモメの羽のような緑色の部分が左右の大鼻翼軟骨です。
図に示しましたが、左右の内側脚の間の赤い部分がコルメラストラットになります。これは本来あるご自分の大鼻翼軟骨を補強する目的で使用します。

鼻中隔延長とコルメラストラットとの違いは?

鼻中隔延長
図のように鼻中隔に移植物(鼻中隔軟骨・肋軟骨・耳介軟骨など)を直接縫い合わせ鼻先の形態を作る方法です。
直接、硬い鼻中隔に固定するため、強固ですので鼻尖の形や高さを出しやすいですが、鼻先は固く動かなくなります。
また、鼻中隔の強度が弱い場合などは鼻尖が曲がりやすくなります。

コルメラストラット法
図のように移植物(コルメラストラット)を大鼻翼軟骨の間に柱のように挿入し、鼻軟骨を補強する方法です。
鼻中隔には固定しませんので本来の鼻の状態と近く、柔らかい動く鼻尖が作れます。
軟骨の強度が弱い場合は、鼻中隔延長と同程度の形態を作成するにはスーチャーテクニックなどの追加の工夫が必要になります。

なぜわたしがコルメラストラット法を選ぶか

なぜ多くのドクターが標準的に使っている鼻中隔延長法を使わないのかと言いますと、曲がりやすいということもあるのですが、1番は鼻先が硬くて動かないことでした。
鼻の手術数が増え出したころ唇裂患者さんやご両親から『鼻先が硬くて動かない。いつになったら動くようになるの?』と言われることが増え、『形態を維持するには硬いままですね』と答えると、すごく寂しそうな表情を浮かべている患者さんを今でも思い出します。
泣き出されたお母さんもいました。
私が勝手に『良くなったし喜んでくれるかな?』と思っていた患者さんからの訴えが多く、説明も十分でなかった可能性もありますが、私が満足していただけなんだと知り、悲しいとともに非常に申し訳なく思いました。

何かいい方法はないのか?

何かいい方法がないものかと悩んでいた時に、美容大国、韓国の中でも鼻手術の名医として有名なザプラス美容外科のジョン先生と出会うことができました。
親友のドクターが引き合わせてくれたのですが、『鼻のオペがすごく上手い先生見つけた!』と連絡をもらい二人で(厳密に言えば通訳さんと3人で)会いにいきました。
ジョン先生はその頃で既に1万症例以上の鼻の美容手術を行われており、日本とは桁違いの経験値と技術を持たれていました。
ジョン先生の鼻の一番特化したところは鼻尖が柔らかく動くというところです。
まさに私が求めていた術式でした。
この出会いのおかげで私の鼻の手術の基本は手技はコルメラストラット+スーチャーテクニックになりました。

コルメラストラットの欠点は?

この方法はザプラス美容外科のジョン・ジェヨン先生が10年ほど前に日本に広められました。
まだ日本では鼻の手術が今ほど普及していなかったため(今もライノプラスティサージャンと呼べる方は少ないですが昔はもっと少なかったです)、ジョン先生自ら積極的にセミナーや書籍も出版され、教育に尽力されました。
その結果この方法を始めた先生は割と多くおられたようです。しかし近年はめっきり減っているようです。
ある先生に辞めた理由を伺うと、『鼻尖形態が作りにくい、後戻りしやすい、曲がりやすい、難しい、時間がかかる』などの答えが返ってきました。
利点である柔らかい鼻を作るということは、確かに鼻尖の高さを維持するには色々なテクニックが必要です。

実際にコルメラストラット法を使いこなすには、多くの経験が必要になります。
1番の欠点はこのことになるのでしょう!
私もそれがわかるようになるには多くの経験を要しました。
ですので私が長年の経験で得た知識や考え方などで重要なことは後輩にはすべて教えるようにしています。
時には『感覚的すぎてよくわからない・・・!』と言われることもありますが・・・。
確かにこの方法は手間と工夫と経験値が鼻中隔延長術より必要ですが、それを勝る恩恵があると思って手術時間はかかりますがこの方法をメインに使っています。

要はどの方法においても経験とスキルが必要ですので、各ドクターが自信のある方法で行うのがベストなんだと多くの鼻の手術を経験してきた今、このように思っています。

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